副院長・透析室長あいさつ　　　　　　角　昌晃　

大田姫野クリニックは全国でもまだ数少ない、すべてのベッドでオンラインHDFすなわち血液ろ過透析を行うことができる透析施設として今春開院の運びとなりました。

患者のみなさまが元気で長生きするには、長時間透析、連日透析、そしてオンラインHDFのいずれかの治療がよいと我々は考えております。
当院ではもっとも患者さんの生活に対して現実的であるオンラインHDFを治療方法として選択しましたが、個々の病状に応じて臨機応変な治療を行います。ま た、何よりも患者さん自身の自己管理が最も重要であると考えており、患者、医療者、国あるいは納税者のすべてが気持ちよく医療を行い見守ることができるこ とを理想にしています。

医療者側として、当院では送迎や食事などの表面的なサービスは極力避け、治療で患者さんに還元したいと思います。オンラインHDFがそのよい例で、これは 設備にも治療にも非常に費用のかかる治療ですが、すべての患者さんに公平に還元するには治療で還元するしかないのだと結論付け実行しています。
国は透析患者、透析医療を目の敵にしていますがどうしてそうなったのか今一度深く考える時期にあると思います。
患者自身は自己管理が悪いためにならなくてよい病気になっていなかったか、医療者自身は利益を治療以外に無駄使いしていなかったか、国はいい加減な治療を している病院に対して目を光らせていたか。これらを真剣に反省しなければ、透析だけに限らず日本の医療制度はいずれ崩壊するでしょう。

私はここで今の日本人の多くが忘れてしまった感情、感謝ということばをもう一度思い返すことを強く願います。感謝の心があれば自分が何をしなければならないか自ずと判ることでしょう。
そして自分自身として、人生は日々修行であることを忘れずに医療に向き合っていきたいと思います。

2007年4月記